VMWareで Vine Linux 3.2をインストール
2006年2月に VMWare Player がフリーとなりました。
VMWare Player自体は作成した仮想領域(仮想OS)を再生するアプリケーションですが、この再生対象の仮想領域はフリーソフトで作成することができるため、事実上VMWare Playerのみで仮想環境を構築することができます。これについては現在様々なサイトで紹介されていたので私も試してみたところ、無事仮想環境を構築することができました。
比較的敷居が低いため、例えば「Windowsを使っているけどLinuxの勉強のためにLinuxをインストールしてみたい人」にはオススメです。ここでは様々なここではさらに導入を簡単にするため、インストールが容易なVine LinuxをVMWare上にインストールする方法について紹介します。なお、構築する環境は以下のようになります。
- ホストOS: Windows2000
- ゲストOS: Vine Linux3.2
Vine Linux3.2のイメージファイルのダウンロード
はじめにVine Linux3.2のイメージファイルをダウンロードしておきましょう。以下にURLを示します。
ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/linux/Vine/Vine-3.2/CDIMAGE/Vine32-i386.iso
後にこのイメージファイルを使用してVine Linuxをインストールすることになります。
VMWare Playerをインストール
以下のURLからVMWare Playerをダウンロードし、インストールします。
http://www.vmware.com/download/player/
仮想領域の作成
VMWare Playerが再生する仮想領域を作成します。今回はQEMUというソフトを使用します。
ダウンロード
以下のURLから 「qemu-0.8.2-windows.zip」 をダウンロードしてください。あとはダウンロードしたファイルを適当な場所に解凍するだけでOKです。
http://www.h7.dion.ne.jp/~qemu-win/index-ja.html
仮想領域の作成
次に仮想領域を作成します。コマンドプロンプトを開き、QEMUを解凍した場所へ移動します。解凍した場所にqemu-img.exeという実行ファイルがあるはずなので、プロンプトから以下のように入力し、仮想領域に相当するファイルを作成します。
qemu-img create -f vmdk <任意のファイル名>.vmdk <仮想領域のサイズ>
仮想領域のサイズは例えば以下のようになります。
- 10GB → 10Gと入力
- 20GB → 20Gと入力
上記のコマンドを入力すると、以下のようなメッセージが表示されます。(サイズ20Gでvine32.vmdkを作成した場合)
Formating 'vine32.vmdk', fmt=vmdk, size=20971520 kB
※size=20971520 kBとありますが、作成されるファイルは約2MBです。ただし、これは間違いではなくて、VMWare Playerで再生すると正しく20GBとして認識されます。
これで仮想領域を作成することができました。
VMWare Playerの設定ファイルの作成
次に、VMWare Playerでこの仮想領域を再生するわけですが、仮想領域はただのファイルなので、VMWare Playerにこのファイルの場所を教える必要があります。また、この段階では仮想領域は空であり、ここにLinuxをインストールする必要があります。
これらの設定はVMWare Playerの設定ファイル(拡張子vmx)で設定します。他にも様々な設定を行う必要がありますが、詳細は割愛します。ここでは設定ファイルの雛型を示します。ファイル名は何でもいいですが、拡張子はvmxとしてください。
config.version = "8" # 仮装マシンのHDイメージ ide0:0.present = "true" ide0:0.fileName = "vine32.vmdk" #今回作成した、仮想領域のファイル名 # CD-ROM ide1:0.present = "true" ide1:0.autodetect = "true" # CD-ROMを利用しない場合はこっちをコメントアウト #ide1:0.fileName = "auto detect" #ide1:0.deviceType = "atapi-cdrom" # ISOイメージを利用しない場合はこっちをコメントアウト ide1:0.fileName = "E:\Linux\Vine32\Vine32-i386.iso" #イメージファイルの場所をフルパスで指定 ide1:0.deviceType = "cdrom-image" # floppy floppy0.present = "false" floppy0.fileName = "A:" # ethernet ethernet0.present = "true" ethernet0.connectionType = "nat" # guestOS TYPE # guestOS = "winnetstandard" # Windows Server 2003 standard Edition # guestOS = "winxppro" # Windows XP Professional # guestOS = "win2000Pro" # Windows 2000 Professional # guestOS = "redhat" # Red Hat Linux (generic) # guestOS = "suse" # SuSE Linux (generic) # guestOS = "netware5" # Netware5 # guestOS = "netware6" # Netware6 # guestOS = "solaris9" # Solaris9 # guestOS = "solaris10" # Solaris10 # guestOS = "freebsd" # FreeBSD (generic) # guestOS = "otherlinux" # Other Linux # guestOS = "other24xlinux" # Other Linux 2.4.x kernel guestOS = "other26xlinux" # Other Linux 2.6.x kernel # guestOS = "other" # Others # Sound sound.present = "true" sound.virtualDev = "es1371" sound.autoDetect = "true" sound.fileName = "-1" # 仮装マシンに割り当てるメモリのサイズ memsize = "256"
上記の雛型を自分用の環境に合わせて変更してください。
VMWare Playerの起動
いよいよVMWare Playerを起動します。作成したvmxファイルをダブルクリックするか、VMWare Playerを起動してvmxファイルを開きます。
注意点としては、初回起動時にはLinuxをインストールする必要がありますので、VMWare Player起動時にF2を押してBIOS設定画面を開き、CD Driveを1番にするようにbootの優先順位を変更しておきます。
Vine Linuxのインストール
ここまでの設定により、VMWare Playerの画面でVine Linuxのインストール画面が表示されますので、あとは指示に従ってインストールを行います。基本的には全てデフォルトでも問題なくインストールできるはずですので、ここでは割愛します。
Vine Linuxの起動
Vine Linuxをインストールすると、VMWare PlayerからVine Linuxが起動するようになります。注意点としては、もうインストール作業は必要ないので、BIOS画面からCD Driveのboot優先順位を下げておきましょう。
おまけ
今回はVine LinuxをVMWare Playerで起動する方法について紹介しましたが、ubuntu Linuxであれば、公式サイトにてubuntu Linuxインストール済みの仮想領域ファイルが提供されているため、仮想領域の作成 及び OSのインストール作業が不要です。以下のURLからダウンロードできます。
http://cdimage.ubuntulinux.jp/releases/6.06/ubuntu-ja-6.06.1-vmware-i386-20060904.zip
上記のファイルを解凍し、中にあるvmxファイルをVMWare Playerで開くだけです。