Javaの設計と実装

本のタイトルは「ソースコードリーディングから学ぶJavaの設計と実装」です。

技術評論社
http://www.gihyo.co.jp/books/syoseki.php/4-7741-2950-X


プログラミングを学ぶ良い方法の一つとして、他人の書いた良質なコードを読むことが挙げられます。今日では「オープンソース」の概念が広まり、インターネットを介して簡単に良質なコードを入手することができます。
しかし、「コードの読み方」に関する情報は現時点では非常に乏しい。
まあ、はじめに何でもかんでもインターネットなどで調べようとせず、まず自分で考えてみるということは重要だと思うのですが、オープンソースはある程度の規模があり、いきなり読むのは正直つらいものがありました。
結局、気になったオープンソースのソフトウェアを入手→コードを読もうとする→よくわからなくなって挫折、のループを繰り返していたように思います。
この本は、現時点では数少ない、「コードリーディング」をテーマとして取り上げた本です。実際に日本で流行っている、Javaオープンソースソフトウェアを取り上げて説明しています。章立ては以下のとおり。

  1. ソースコードを読む
  2. 汎用ライブラリ Jakarta Commons Logging/Pool
  3. テスティングフレームワーク JUnit
  4. Webアプリケーションフレームワーク Struts
  5. 統合開発環境 Eclipse
  6. Webアプリケーションサーバ Apache Tomcat
  7. テンプレートエンジン Jakarta Velocity
  8. DIコンテナ Spring Framework
  9. データベースエンジン HSQLDB
  10. ソースコード読解の手法

基本的には、各オープンソースソフトウェアで使用されている主要なテクニックがどのように実装されているか、を実際にコードを載せて説明しています。
しかし、私が良いと思ったのは10章の「ソースコード読解の手法」です。この章には、著者のソースコード読解の手法が説明されています。先にも述べたようにコードリーディングの情報は非常に少ないため、この情報は貴重と言えるでしょう。*1


値段も2480円となっており、技術書としては安いほうだと思います。私のようにソースコードの読み方がわからず、迷子になっている人にはオススメしたい本です。

*1: 情けない話なのですが、ここを読むことで、オブジェクト指向言語/非オブジェクト指向言語で、ソースコードの読み方のアプローチが異なることを知りました。